タイで使える・加入できる保険一覧 - タイの医療制度と医療費

2013年06月28日
カード付帯保険

先日、来年タイに移住予定だという読者さんからタイの保険と医療費に関するご質問をいただいた。そのうち記事にするつもりではいたが、ここらで簡単にまとめておこうと思う。


A. (日本で加入できる)タイで使える保険一覧

1. 国民健康保険
一旦全額を自腹で支払い、帰国後に申請すれば「海外療養費」として支給される。ただし、全額が戻ってくるわけではなく、"日本で同様の治療をした場合にかかる費用の7割"が戻るだけ。実質半分も戻ってこないというケースも少なからずある。また、申請には「診療内容明細書」と「領収明細書」の翻訳も必要で、かなりの手間と時間がかかる。翻訳は申請者本人でも可。尚、住民票を抜くと自動的に国民健康保険の加入資格も失ってしまう点には要注意。
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2. 健康保険
会社退職後、最長2年間の「任意継続」が可能。ただし、それまでは会社側と折半だったものを全額払うことになるため、保険料は従前の2倍となる。「海外療養費」の仕組みや払戻額などは上記の国民健康保険と同じ(窓口は異なる)。
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3. 海外旅行保険
損保会社代理店で任意加入。数年単位の長期契約は交渉次第だが、私の知る限りでは最長5年間。日本語対応の連絡先があり、日本語の通じる病院を紹介してもらえ、さらにはキャッシュレスで治療が受けられる。ただし、保険を使いすぎると次回更新時に拒否される可能性が高くなると言われている。参考までに、「傷害治療費用」と「疾病治療費用」だけをそれぞれ100万円ずつの保障(この2つ以外は何もなしのバラ掛け)とした場合、保険料は5年間で約56万円(※2012年1月確認時の料金)。

4. クレジットカード
クレジットカードの種類によっては(何も手続きしなくても)海外旅行保険が自動付帯されるものがある。引受保険会社は損保各社なので対応は上記の海外旅行保険とまったく同じ。ただし、保障期間は最長でも3カ月まで(※裏ワザで3カ月ごとの延長も可能)。稀に、こちらの記事にも書いたように、海外で無期限に適用される傷害保険が付いているカードもある。また、カード会員だけが追加で加入できる独自の保険(海外でも適用される傷害保険や個人賠償責任保険など)を用意しているカード会社もある。

5. 生命保険・医療保険・傷害保険・がん保険など
生保会社や共済などで現在加入している保険があれば、海外にも対応しているかどうか確認しておいた方が良い。一旦全額を建て替えて後日の請求にはなるが、ほとんどの保険が海外でも適用されるはずである。


B. タイで加入できる保険一覧

1. 30バーツ保険
タイ人なら誰でも入れる保険料無料の公的保険。居住地に近い指定病院(公立病院がほとんど)のみかかることができ、保険適用範囲の治療であればすべて無料か30バーツ/回。ただし、患者数が非常に多いため待ち時間が非常に長く、重要な検査や急を要する手術でさえ数ヶ月待ちもざらだと聞く。

2. 社会保険
会社に勤めていれば外国人でも加入できる公的保険。12カ月以上加入していれば退職後も(何年でも)任意継続が可能で、その場合の保険料は約430バーツ/月。最初に自分で選んだ指定病院(私立病院)のみかかることができ、保険適用範囲の治療であればすべて無料。ただし、こちらも長時間待たされることが多い。

3. 医療保険
働いていない外国人でも加入できる民間保険。保険料は保険会社や加入時の年齢、保障内容等にもよるが、年額1万数千バーツくらいから。どこの私立病院でも使える反面、保険料に応じた(保険料のわりには高くない)保障上限額が決められている。取扱保険会社は AIA、Tokio Marine Life Insurance(東京海上)、Bupa Health Insurance、Muang Thai Life Assurance など多数あり。

4. 傷害保険など
働いていない外国人でも加入できる民間保険。事故・病気で死亡した時のみの保障など。無数の商品と組み合わせがある。年額数千バーツ〜。

5. キャッシュカード
こちらの記事にも書いたように、キャッシュカードの種類によっては傷害保険が付いているものがある。


…とりあえずはこんなところだろうか。ちなみに私が加入しているのは「A-1.4.5.」と「B-3.5.」の計5つ。多いように思われるかもしれないが、ひとつひとつの保険料や保障額は少ないため大した金額にはならない。あと妻の分は「B-2.4.5.」の計3つ。
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保険の有無はともかく、実際の医療費がどれくらいかというと、これはかかる病院と治療内容によってピンキリとしか言いようがない。

安い公立病院は待ち時間が長く言葉が通じないだけでなく、設備が古く診療もお粗末なので避け、日本語の通じる(通訳のいる)私立病院にかかる前提だとすれば、風邪程度の通院で数千円/回、こじらせて1週間の入院(個室)なら5万円くらい?はかかるだろうか(※チェンマイの場合)。日本の3割負担よりは確実に高く、上は青天井。

極論を言えばすべてはお金次第で、タイではお金がなければ治療も何もしてくれない。従って、何ヶ月も入院するような深刻な病気やケガの場合は素直に帰国して日本で治療するのが賢明だろう。
posted by k | 保険・医療